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ニュージーランドの為替相場
ニュージーランドの為替相場
為替とは何か?
さて、このHPには余り関係ないかもしれませんが、私は仕事柄、NZ$と日本円の交換率(世間では為替と言います)
に大きく影響されますので、ちょっと、このHPに載せてみようと思いました。
為替とは、そもそも何でしょうか?
為替(かわせ)と言う漢字も自然に読むと、カワセには、ならないと思いますが、当て字なのでしょうか?
その辺は調べていないので分かりません。
そもそも、為替とは江戸時代に遠隔地の商人同士が代金決済をするために生まれた制度です。
外国為替は、為替が海外にまで拡張した姿です。
本来江戸時代に生まれた為替制度は、こういうものでした。
例えば、大阪の河内屋が江戸の相模屋に反物を10両分売った。
同じ時期に、相模屋は、河内屋に腰巻を1両分売った。
そうすると、差し引き9両、相模屋は、河内屋に借りができます。
しかし、河内屋と相模屋は、お互いの信用があり、売り買いが双方に継続的にあります。
そのため、毎回小判で決済するとなると、江戸と大阪の間で現金を頻繁に運ばなければなりません。
それは、危険ですし現金処理の手間が大変です。
それゆえ、通常の取引は品物だけを実際に動かして、代金の貸し借りは書面にて記録しておき、ある一定期間に一度、その間の取引をまとめて精算し差額を小判(小判だけに限らず当時の通貨)で決済すると言う制度が、そもそもの為替の成り立ちでした。
つまり、代金の決済を遠隔地で一定期間ごとに行う仕組みです。
それが海外まで延長したのが外国為替です。
例えば、日本とNZの銀行同士が、ある一定期間毎に、取引を精算し差額を現金で決済する仕組みです。
ですから、差額を精算する為に現金の運搬をやっています。
10年ほど位前だったと思いますが、成田空港の原木出張所で貨物が盗まれたことがあります。
中身は、現金でした。
金額はいくらだったか忘れましたが、数億円だったと思います。
そのニュースを聞いたとき私は思いました、あぁ、為替の決済の為の現金貨物だろうなぁ~と。
これが為替の意味です。
外国為替(外為)について
それと、もう一つ、外国為替(外為)のレートを言う場合、知っておくべき事があります。
それは、為替レートにも多くの種類があるという事です。
大きく分けて2種類あります。
我々が、関係するのは、2の対顧客レートです。
その対顧客レートも更に数種類以下のように別れます。
他にもまだありますが、省略します(信用状買取レート、D/Pレート、D/Aレート、先物予約レート等)。
銀行間レートにも、売レートと買レートがあります。
売りレートと買いレートの中間を仲値と言います。
新聞やテレビで為替レートと言うのは、上の1(仲値)ですので、我々一般人には適用されません。
買うとか、売ると言うのは、銀行側から見ています。
例えば、日本円を外為銀行へ持っていって、NZ$に交換する場合は、銀行から見て、NZ$を売る事になりますので(外貨を品物として考えれば分かりやすいです)上の5が適用されます。
因みに言うと、現金を外貨に交換するレートが一番、 分が悪いです。
電信レートの方が、かなり分が良いです。
それは、上で説明したように、現金のやり取りと言うのは、危険で管理が大変だからです。
日本円でNZ$のトラベラーズチェックにする場合は、3とほぼ同じですので、レートとしては現金よりずっと得です(2007年06月02日追記:最近はNZ$のトラベラーズチェックは日本で買えないようですから日本円のT/Cを作りNZでNZ$に交換すると良いです)。
3と4の電信と言うのは、例えば、日本とNZ間で電信(今時郵送は、もう滅多に無いと思います)で送金する場合に適用されます。
例えば、あなたが最寄の外為銀行でNZの私に1億円相当のNZ$を電信で送金しようとした場合、上の3が適用されます。
以上が、為替本来の意味とそこから拡張した外国為替の意味です。
過去30年間のNZ$と日本円(JP¥)の交換率の推移
ここに過去30年間の日本円とNZ$の銀行間レート仲値(ニュージーランドの銀行データ)、の推移を表とグラフにしました。
調べうる限りの過去に遡りました。
これでおおよその傾向は掴めると思います。
1973年に英国がヨーロッパ経済共同体(EEC。現在はEUに変貌している。)に加盟するまで、NZではNZ£(ニュージーランドポンド)を使っていました。
その当時は、NZ£1は日本円で千円以上だったと聞いています。
英国ポンド(Sterling £)とほぼ同水準でした。
NZは、英国から見捨てられ、NZ$に変わりました。
それまで、英国はEECに加盟せず、旧大英帝国植民地の国々と経済ブロックを形成し、特恵関税などを供与し保護していました。
しかし、英国がEECに加盟した後、旧大英帝国植民地の国々は、経済的苦境に陥ります。
NZも衰退の一途を辿り、1984年には破産寸前にまで追い込まれました。
それと同じ傾向でNZ$は下落し続けました。
反比例するように日本円は上昇を続けました。
ニクソンショックが起こったのが、1973年ですから英国とアメリカは示し合わせていたのだと思います。
因みにニクソンショックとは、当時のアメリカ大統領ニクソン(ウォーターゲート事件で辞職に追い込まれる前)が、アメリカの金本位制を廃止し、変動相場制に移行したことを言います。
ちょっと余計な話に行ってしまいましたが、このような背景で、NZ$は変動してきた推移があります。
1979年02月~2008年10月のNZ$と日本円の為替レート月平均仲値(銀行間レート)
データ出所:ニュージーランド準備銀行(RBNZ)
1979年02月~2008年10月のNZ$と日本円の為替レート月平均仲値グラフ(銀行間レート)
上記グラフをクリックすると拡大グラフが別窓で表示されます。
日別レート(1979年02月01日~2008年11月14日)
毎日のレートは、こちら →
「1979年02月01日~2008年11月14日 日別レート」
2007年06月09日(土)に筆者の余計な一言を読み返した感想
平成16年01月に下記の「筆者の余計な一言」を書いています。
3年後の今読み返してみると将に余計だったと思います。
当時私はこれからニュージーランドドルは下落するだろうと予想していました。
その予想は完全に外れNZドルはドンドン上がって行きました。
2007年06月現在までその傾向は続いています。
3年前の2004年(平成16年)にNZ$を購入して今に至ったならかなり儲けたはずです。
これからはどうなるのでせう・・?
確かな事は誰にも分かりません。
今度は余計な事を言わないようにします。
筆者の余計な一言【平成16年1月5日(月)】
最近NZ$の外貨預金に関心を持たれている方が、多いようです。
私から余計な一言を申し上げたいと思います。
まず、最近日本円は、他国通貨と比較して高いでしょうか?
米ドルUS$に対しては高いようですが、
日本円は昨年よりNZ$に対しては非常に円安になっております。
マスコミで円高と言っていたら、全ての通貨に対して円高と思っていませんか?
そんなことは、ありません。
日本円はNZ$に対して大変、価値が下がっております。
つまり相当な円安です!
上記の過去18年の推移グラフをご覧になって頂ければ、一目瞭然です。
このままずっとNZ$高は続くでしょうか?
その答えは、分かりませんが、筆者の私見としては、そうではないと思います。
2種類のレートで日本円1千万円をNZ$に交換した場合、その差額を試算してみましょう。
¥10,000,000 ÷ ¥50/NZ$ = NZ$200,000(NZ$1が50円の場合)
¥10,000,000 ÷ ¥70/NZ$ = NZ$142,857(NZ$1が70円の場合)
差額: NZ$57,143
今、NZ$で預金をして、近い将来NZ$が日本円に対して値下がりし、
NZ$1 = ¥50近くに戻ったらどうなるでしょうか?
元本¥10,000,000は、保証されるでしょうか?
筆者の余計な一言 その2【平成16年1月6日(火)】
あなたが1千万円をNZ$に換算し外貨預金した場合を想定し、Simulationしてみましょう。
¥10,000,000 ÷ ¥70/NZ$ = NZ$142,857(金利:年利 6%) 為替レートが例えば、5円以上変動した場合、元本の保証はしないと言う条件付。
1年満期として解約時 NZ$1 = ¥60になっていた場合、約款どおり、元本は保証されませんので、元本として戻ってくるのは、
NZ$142,857 x ¥60/NZ$ = ¥8,571,420 NZ$142,857 x 0.06 = NZ$8,571.42(金利収入) NZ$8,571.42 x ¥60 = ¥514,285(日本円に換算) ¥8,571.420 + ¥514,285 = ¥9,085,705(1年後に元利合計の戻り金額) 約百万円の損失になります。
実際には細かい取り決めがあると思います。
例えば、金利は毎月その時のレートで支払うとか、金利は、6%以上か又は以下かも知れませんし、実際はNZ$に対して円安になっていたら、得します。
又、いくら以上為替レートが変動したら元本保証は無いと言う条件も実際は、いくらか分かりません。
しかし、若し上のSimulationに近い事が起こった場合は、かなり悲惨な事になります。
NZ$の外貨預金を販売している金融機関は、既にNZ$を保有しているはずです。
例えば、あなたが日本円1千万円分をNZ$に換算しNZ$142,857を元本として預金した場合、そのお金を預けた、金融機関は、予め保有していたNZ$に付いた金利をあなたに支払うでしょう。
あなたが預けた日本円は、勿論そのまま日本にあります。
どこかの融資に回される事でしょう。
その金融機関は、あなたの元本の1千万円はそのまま日本で運用していますので、為替損益は発生しません。
保有していたNZ$も為替損益は発生しません。
為替リスクを負うのはあなたです。
金融機関では有りません。
そして金融機関は、どっちに転んでも損はしません。
若し、万一1年満期の時、NZ$が更に強くなっていた場合、保有していたNZ$を日本円に変換すれば、金融機関は為替利益を得ることが出来ます。
そして元本の1千万円をそのままあなたに返すだけです。
為替利益は、その金融機関のものになるのでは無いでしょうか?
私は、実際の外貨預金の約款を見たことがありませんので、分かりませんが、為替利益が出た場合、あなたに還元されると言う文言があれば良いと思いますが、現実の約款を精読してください。
いずれにしてもリスクを負うのはあなたです。
明日ももう一言付け加えたいと思います。
筆者の余計な一言 その3【平成16年1月7日(水)】
2002年度のニュージーランドのGDP(国内総生産 = Gross Domestic Product)は、約1,200億ニュージーランドドルでした。
最近の為替レートNZ$1 ≒ ¥70で計算しますと、約8兆4千万円です。
日本の大手総合商社の年間売上高は、10兆円位有りますから、それよりも規模としては小さいです。
人口が約400万人ですので経済規模は、当然日本に比較するとそれは到底及びも付きません。
私の出身地北海道の人口は、約550万人です。
2001年度の日本のGDPは、約533兆円でした。
NZのGDPは、日本の1.6%しか有りません。
人口比で見ますと、NZは日本の3.3%の人口比率ですので、NZの一人当たり生産高は日本の約半分です。
何故このような話を引き合いに出すかと言うと、わが祖国日本を自慢する為では有りません。
その理由は、如何にNZの経済規模が小さいかと言うことを強調する為です。
何故、NZの経済規模の小ささを強調するかと言えば、NZ経済は、年間数万人の移民の流入によって、大きな影響を受けると言うことを言いたかったからです。
NZ政府は、移民受入数として年間約4万5千人と言う数値を設定しています。
NZの人気は大変高く、アジア人、特に中国人(中国本土、台湾、香港、その他東南アジアの華僑を含む)や韓国人が大変大勢毎年押し寄せています。
移民としてNZにやってくる中国人や韓国人は、殆どが本国で成功したお金持ちばかりです。
その点、日本人と大きく違います。
日本人でNZに住んでいる人達は、私のように貧しく、そして何故かちょっと変わったところの有る人達で日本から出たいと言う考えの持ち主が多いです。
日本人の金持ちは、日本で何不自由も無く、安全で居心地が良い生活をしていますから、日本を離れようなどと言う考えは持たないと思います。
ちょっと話がそれてしまいました。
何を言いたかったかと言うと、アジア移民の数は、大変多く彼らの消費はNZ経済に影響を及ぼします。
しかし、移民の数が多くなりますと、NZ政府はビザの基準を厳しくしてその数を抑えようとします。
昨年からビザの審査基準は厳しくなっています。
そうすると又、NZ経済は落ち込みます。
するとNZ$は、下落すると言うことを、数年おきに繰り返しています。
要するにこれからNZ経済は下降し始めるのではないかと言うのが私の予想です。
そうして異常に高くなったNZ$も下落し始める頃では無いかと思っています。
しかし、これは素人としての私の感想です。
私は、金融のプロで無いどころか、全くの門外漢です。
ですから正直言いましてどうなるか確信は持てませんが、現地で生活している人は、大体私と同じ見方をしています。
その他の、不慮の要因も最近ありえますので、明日も再度もう一言追加したいと思います。
筆者の余計な一言 その4【平成16年1月8日(木)】
昨夜最後の部分で、不慮の要因もありえると書きましたが、最近の日本で不安が広がっているテロや地震、津波などの天変地異などのことを指しています。
私が今まで述べました事は、全て不況であろうとも平和が保たれている事が前提です。
それが崩れたら話は、全く変わってきます。
若し、そう言う危機を回避する意味で外貨預金をするのであれば、金利とか為替リスクを上回るレベルの話になります。
大きな賭けになる可能性が高いと思いますが、そうなれば私は、何とも言いようがありません。
このまま平和が続くならば、一番良いのは、今、NZ$で日本円を買うことだと思います。
といっても今NZ$を持っていないとしたら、NZ$が下がったときに、NZへ来て自分の口座をこちらで開いて、そしてそこにNZ$で預金しておいて、円安になったら日本円に戻せばよいと思います。
それを繰り返していけば、元本にもよりますが、雪ダルマ式に増えていくと思います。
しかし、不慮の事態と言うことは予想が付かずありえますから、上手く行くとは限りません。
ニクソンショックのような事が無いとも言い切れません。
世の中、一寸先は闇ですね。
皆さんが健全な方法で資金運用されることを願っています。
- 完 -
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