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当ページの設置日 : 平成16年07月04日(日)

英語について
ここで私の英語の履歴を語ります。 私は、良く人に聞かれます。 「どうやって英語を勉強したんですか?」と。 そう言う質問は、私に取っては、ちょっと、不思議です。 どうしてそんな事を聞くのだろうと思うからです。 日本人は、みんなプレスの機械で打ち出された大量生産の部品のように均一の教育を受けているからです。 違うとすれば、大学へ行ったかどうかの違いだと思います。 大学へ行かないにしても、殆どの人は、中学と高校で英語を勉強しています。 すると答えは、学校の英語を一つずつ勉強するしか無いと分かります。 特別な英語の勉強方法など何一つありません。 若し、あるとしたら、会話能力を如何に磨くかと言う事だと思います。 会話能力は、読む(Reading)、書く(Writing)と言う基礎力に比例して付いて来ます。
私は、自分で自分の英語能力の乏しさを実感しています。 自分の思う通りに言えなかったり、新聞や雑誌を読んだら、分からない単語が、わんさかある。 映画やTVを見ても分からない部分がかなりある。 それ故に、自分の英語能力の貧しさを毎日、実感しています。 しかし、大体自分の考えを英語で表現する事も出来ますし、かなり込み入った事もそれなりに説明できます。 それでも、自分の英語能力の貧しさを実感せざるを得ません。 私より英語能力の優れた日本人は、5万と居ます。 しかし、同時に私以下の乏しい英語能力の人は、その何十倍も居るという事も知っています。 つまり、ある程度、自分の英語能力に対する自信を持っていると同時に、全く不十分だと感じていると言うのが、実態です。
私は、ここで、謙遜しないで率直に客観的に語るように心がけます。 謙遜したり、へりくだると事実が見えないからです。 そうする事が、これから英語に打ち込もうと思っている人に取って、多少でも参考に成ると思うからです。 若し、ある人の持っている経歴が輝かしい場合、 ありのままに語ることは、日本人としてはある意味で禁句(Taboo = タブー)です。 しかし、謙遜して、客観的に語らないと、役に立ちません。 私の英語の履歴は、輝かしく、素晴らしいか・・・?
【-■_◎】ノ"んなこたぁない! それは、以下を読んでいただけると分かります。 ただ、一つ言える事は、私は、ある時期、一生懸命に勉強した事があると言うことです。 このHPで、英語を学ぶ事は出来ません。 英語に対する取り組み方を多少でも学べるのではないかと思います。 英語の学び方のヒントになるのではないかと思われる、私の少年時代を書きます。 若し、あなたがこれから、英語を勉強しようとしているなら、この記事が多少でもお役に立てば、幸いです。

小学校
私の知能は、如何ほどか・・・? それは、中の上くらいだと自分では思っています。 何故そう思うかと言うと、小学校、中学校のIQテストでクラスの最高得点者になった事がないからです。 そして、私の小学生の頃の通知箋(つうちせん)は、「3」と「4」ばかりだったからです。 皆さんは、学校の成績表の事を、通知箋と言いませんでしたか? 戦前に育った私の時代は、通知箋と呼んでいました。 ただ一つの例外は、図工でした。 図工だけ、時々「5」を取りました。

中学校
私には、兄が居ます。 今でも札幌で生きています。 私の家は、とうさんもかあさんも勉強すれ! とは、全く言わない家庭でした。 兄の両親は、私と同じとおさんとかあさんです。 即ち、実の兄です。 つまり、知能程度は、似たようなものです。 その兄は、教育に全く無関心な両親の元、何も勉強せずに小学校、中学校を過ごしました。 しかし、あるとき、私のかあさんが急に教育に目覚めました。 それは、兄の高校受験が差し迫ったからです。 このままだと、落ちこぼれ専用の私立の高校しか行けないということで、何を思ったか、焦りだしました。 そして、塾に行かせました。 それから、兄は、急激に勉強が出来るようになりました。
私は、そのあおりを食いました。 兄と私は、5学年違いました。 弟である私に兄と同じ轍を踏ませまいとかあさんは、私が中学生になると直ぐ、同じ塾へ通わせました。 私は、嫌で嫌で仕方なかった。 しかし、心で嫌だと思いつつも、真面目に塾へ通いました。 強制的に勉強させられる事で、私は、勉強が出来るようになって行きました。 漸くここで英語が出てきます。 私は、中学生になって、初めて英語に接しました。 塾では、英語と数学を中心に学びました。 英会話は、全く無かったです。 会話は、殆ど不要と言っても良かったです。
その結果は、直ぐ出ました。 中学の1年の時から、英語と数学の成績は、かなり良くなりました。 ここでは、英語のみを語ります。 それでも、中学1年の1学期は、結構良いと言うほどでしたが、じわじわと出来るようになり、2年、3年となった時は、 クラスでは、大体常に1番、学年でもかなり良かった。 そして、難なく公立の志望校へ行きました。 中学時代の英語の成績は、中学1年の1学期のみ「4」で、それ以降は、ずっと「5」でした。 因みに言いますと、私の故郷には、公立高校1校、私立高校1校しかありませんでした。 東京と違い、地方の場合は、公立の方が優秀です。 私立は、落ちこぼれの収容所でした。

高校
志望高校に難なく入学しました。 それからの私の学力は、それはそれはひどいくらいに落ち込みました。 それは、何故か? それは、全く勉強しなかったからです。 全ての教科が落ち込み、英語も同様です。 それでも、中学時代の余韻が残っていて、卒業の時まで、通知箋は、「3」でした。 そして、大学は、全て落ちました。

予備校
大学に落ちたのは、当然でしたので、全く落ち込む事もなく、札幌の予備校へ行きました。 両親も浪人する事に対して何も言いませんでした。 自分で全て決めて、両親はそれで了承しました。 今、思うと実にありがたい家庭環境だったと思います。 札幌予備学院です。 私は、2浪しました。 この2年間、私は、本当に一生懸命に勉強しました。 寝ても覚めても勉強しました。 1浪時代は、ずっと勉強して、慢性的な睡眠不足が続き、昼間でも眠たい状態がずっと続きました。 あの時で、私の英語の全てが決まりました。 未だに、浪人時代、勉強した以上の実力には、なり得ません。
基本は、英文読解です。 どのように勉強したかと言うと、予備校の英語の教科書を読むと分からない単語や熟語が、バンバン出てきました。 殆ど読解出来ませんでした。 それを見たら、どうしたら良いかと、めまいがしました。 しかし、一つずつ憶えていく以外無いと思い、分からない単語と熟語を、一つずつ、単語帳に丁寧に書いていきました。 発音記号も一緒に。 一つの単語で複数の意味がある場合は、全ての意味を書きました。 それを毎晩暗記しました。 そして、英文を1行1行なめるように読み、訳していきました。 単語の綴りを憶える為に、紙に何度も単語や熟語を書きました。 そして、数日後に憶えた単語を見直しました。 すると案の定忘れていました。 それを再度、暗記しました。 それを来る日も来る日も繰り返しました。 それは、それは、一生懸命に勉強しました。 現役時代にそれをやっていたら、どんなに良かったかとも思いますが、過去を振り返って悔いても何も生まれませんので、 今出来る事をするのみです。 つまり、このような地道な方法以外は、ありません。
結果は、直ぐに現れました。 めきめきと成績は、上がりました。 しかし、高校時代の不勉強のつけは、大きく、それでも志望校に受かりませんでした。 2浪でした。

大学
2浪目は、少し気が抜けた感じでしたが、それなりに一生懸命に勉強しました。 そして、北海道の去る大学に合格しました。 しかし、第一志望は、落ちました。 これで、私は、ごく平凡な知能と言うか、大した事が無いと分かると思います。 私は、理系の人間です(正確に言うとなりぞこない)。 大学へ行ってからは、受験勉強で憶えた英語を忘れるのが惜しく、ESSに入部しました。 ESSは、ご存知ですね? 念のため説明しますと、English Speaking Societyの略で、英語会話クラブの事です。 工業大学と言う事もあり、ESSの部員ラベルは、寒かった・・・。 そして、英会話を憶えたくて、モルモン教会の無料英会話へ行きました。 私が、時々「気まぐれ草紙」で語る、聖書との出会いは、ここです。 それで、聖書も読みました。 日本語の聖書です。 アメリカ人の宣教師に教えてもらいましたが、彼らの目的は、宣教です。
それで熱心に勧誘され、私もぐらぐらと来ましたが、洗礼を受けずに今に至っています。 結局、モルモン教会の英会話教室へ通ったのは、ほんの数ヶ月で、殆ど会話は、身につきませんでした。 キリスト教に対する知識が、ある程度身に付いた程度です。 大学時代の英語学習は、どう言う効果があったかと言うと、受験勉強で覚えた英語を忘れる速度が多少抑える事が出来た程度です。 大学の3年か4年の時に英検2級を受験して、合格しました。 2級ですと高校で取得できるレベルです。 合格して、当然でした。

社会人
社会人になってから、1年も経たない内に、新嘉坡(シンガポール)勤務となりました。 そこで、私の会話能力が磨かれました。 19歳の時、寝る間も惜しんで、勉強した基礎が、会話能力となって、開花しました。 しかし、そこは、シンガポールです。 激しい、Broken Englishの国です。 自分で言いたいことは、殆ど不自由なく言えるようになりましたが、Listeningは、シンガポール英語専用でした。 本物の英語のアメリカ英語やイギリス英語の映画を見ても分かりませんでした。 と言うと、語弊があります。 それなりに聞き取れるようにはなりましたが、それでも、分からない部分が一杯でした。

英検準1級
私は、3つの会社に勤めました。 2つ目から3つ目に移る時、英検2級では、余りにもみっともないと思い、準1級を取りました。 30代半ばでした。 いつも「気まぐれ草紙」で、もう直ぐ30歳になると言っている人が居ますが、 私は、あの人と違い、正直に言います。 準1級なら楽勝だと高をくくり、何も勉強しないでいきなり受験したら、非常に惜しいと言う評価で落ちてしまいました。 それから、通勤電車の中で毎日、英検準1級の本を読みました。 1ヶ月くらいそれを続けました。 すると、次に受けた、準1級の試験は、かなりの高得点で合格しました。 それから、数年後、1級も受けようと思い、会社から帰ってきてから、毎晩、英検1級の勉強をしました。 それを約1ヶ月続けました。 ところが・・・。
「B」で落ちてしまいました。 「B」は、基礎は、あるがもう一つと言う評価です。 その後は、英検は、受けていません。

IELTS 6.0
ニュージーランドの永住権を取ろうと言うことになり、調べたら、IELTSと言うものがあると言う。 日本の英検は、海外で全く認められていないとこの時、初めて知りました。 それで、British Councilに受験を申し込んで、何かの英語の資料をもらい、1ヶ月くらい勉強しました。 京都で受験しました。 結果は、総合点で6.0でした。 Reading 6.5, Writing 6.0, Listening 6.0, Speaking 6.0でした。

成人の英会話能力について
成人の場合について語ります。 全く英語の基礎の無い成人が、 英語圏に住んでいても、子供のように自然と英語会話を憶えると言うことは、期待できません。 英会話の能力、聞く(Listening)と話す(Speaking)は、読む(Reading)と書く(Writing)に付随しています。 読む(Reading)と書く(Writing)能力さえあれば、英語圏の国で生活するうちに、会話能力は、身に付いて来ます。 読む(Reading)と書く(Writing)と言う基礎が無い場合は、会話能力は、それ程、進歩しません。 基礎が無い場合は、基礎から勉強するしかありません。 それは、中学や高校の英語の勉強に戻る事を意味します。 結局、ここでも学校の英語に戻るのです。 英語の基礎が無い状態で、英会話を学んでも読むと書くと言う能力は、殆ど身に付かないと思います。 それよりは、先に読む、書くと言う基礎を勉強したほうが、効果的だと思います。 又は、読む、書くの基礎と会話を同時に勉強する。

まとめ
私の過去と現在の英語を振り返ると、19歳の時に全てが決まったと確信しています。 あの時に一生懸命に勉強した実力を未だに超えることが出来ません。 「青年老い易く、学成り難し」。 これは、私の中国の友人が語った言葉です。 言い得て妙です。 19歳の時の実力以上の力をつけるならば、もう一度あのような勉強をしないといけないと思います。 嫌、今は歳を取っているので、2倍勉強しないといけないかもしれない。 気の遠くなる作業です。 今の私の英語能力は、19歳のときの貯金です。 NZに来てからの7年間で、英語の実力は、殆ど変化ありません。 どちらかと言うと、文章の読み書きをする機会が減り、実力低下していると感じています。 それは、何故かと言うと、日本に居た時は、仕事で毎日、英語の文章を丁寧に読み書きしていたからです。
NZに来てからは、Listeningが多少伸びたかもしれません。 Speakingは、全く進歩していません。 英語圏の国に住んでいたら、自然と英語を憶えると思っている人が居るかもしれませんが、大きな間違いです。 しかし、それは、人に寄っては、あり得ます。 それは、子供と言う人です。 10代の子供が、こちらに来て、NZの学校へ行ったら、直ぐ、英語を憶えます。 しかし、子供は、直ぐ外国語を習得すると言う利点がありますが、その副作用もあります。 (ここでは、子供が外国語を習得する場合の副作用については、述べません。) 20代、30代、40代、50台・・・・と年齢増加と共に、学習能力は、落ちます。 それは、脳細胞と脳の記憶装置の階層構造上、如何ともし難い事です。 NZに10年以上居て、未だに英語を満足に話せない人が居ます。 それは、私の19歳の時のような学習期間が無い人です。
何歳になっても学習する事により、実力は伸びます。 しかし、その効果は、年齢によりかなり違ってきます。 それでは、40代のおっさんやおばさんがもう無理だと思って、全く諦めてしまうとそれこそ、それで停止します。 年齢が上がっても勉強すれば、それなりに進歩します。 それなりにと言うと、哀しいですが、若い人に比較すると、やはりかなりその進歩の度合いは、遅いです。 20代なら、まだまだ大丈夫です。 要は、勉強すれば、それだけ進歩すると言う事は、どの年齢層にも言えます。 希望は、いつもあります。