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番外編
当ページの設置日 : 平成16年10月10日(日)
ニュージーランドへの道(番外編)
「ニュージーランドへの道」の前編は、終了し、後編は、いつ公開できるか分かりませんが、これは、番外編です。
今までNZで仕事をしながら、一人で生活してきて感じたこと、気づいたことなどを語りたいと思います。
又、ある日の出来事などを語りたいと思います。
私は、1997年9月10日にオークランドに住み着きました。
実に7年の歳月が流れました。
良く一人で孤独に耐えて今までやってきたと自分でも感心します。
私は、経費を節約するために家で仕事をしています。
一人で生活していて、一番面倒で嫌なことは、食事、掃除、洗濯などの家事です。
日本でしたら、コンビニ、ほかほか弁当、ファミリーレストラン、食堂、ありとあらゆる外食を簡単に利用できます。
そして、日本は、安くて美味しい食事が気軽に利用可能です。
そして、当たり前ですが、日本食に囲まれています。
ニュージーランドの外食は、意外と高いです。
レストランへ行くと、一人で、$20とか$30くらい簡単に行きます。
たまになら良いですが、毎食、$20以上食費にお金を掛ける事は出来ません。
そうすると自炊になりますが、台所仕事が面倒で、私の台所は、度々無法地帯になっています。
ニュージーランドへ移住したいと言う人が、最近沢山居ますが、皆さんに共通して言う事は、のんびりゆったりした時間と美しい自然がNZの魅力だと言います。
私も同感です。
私も日本の都会の電車通勤が苦痛で仕方ありませんでした。
電車通勤で毎日往復2時間少々の時間を取られその上、混雑が激しいので圧迫感が鬱積してきます。
そう言う意味では、NZは、楽です。
人も焦ったり、いらついたりしていませんので、NZに居るだけで気持ちが開放された感じがしてきます。
実際、心が開放されているのだと思います。
私は、日本に帰ると精神状態が変わります。
言われ無き焦燥感、急がなければいけないというせき立てられる気持ちになります。
それは、日本に入った瞬間から変わります。
日本と言っても、北海道などの田舎は、NZと同様にゆったりしていますが。
日本の都会は、誰もが精一杯、一生懸命に生きています。
何事も急いで、間違いが無いようにきちんと処理するように全てがせき立てられている感じを受けます。
それがストレスとプレッシャーになっています。
よく言うと日本は、全てが迅速で正確で、人の対応もきびきびとしています。
その点、NZは、のんびりゆったりしている分、人の緊張感も無く、対応はいい加減で間違いも多いです。
時間もルーズ(Loose = ルース)です。
Kiwi(ニュージーランド人の事)は、時間にいい加減なだけに、こちらが多少時間にずれても怒りません。
しかし、相手が怒らないからと言って、私は、時間に正確であるように努めています。
日本人で居ようと努力しています。
日本からNZに着いたばかりの頃は、日本に居た時の感覚がそのまま残っていますので、Kiwiのとろさ、いい加減さにカリカリと頭に来ます。
どこへ行っても何を頼んでも、彼らののんびりとしたペースに接すると腹が立ってきます。
それに対して、日本と同じ調子で感情的になって、相手を責める事は出来ません。
ここは、NZです、我々も彼らと同様に悠然としていないと、NZののんびり、ゆったり感は、満喫できません。
彼らの国に居るのですから、我々が彼らの調子に合わせる必要があります。
そうしないと生きていけません。
日本と同じ感覚で、テキパキと正確な処理を期待して、その通りにならないと言って、腹を立てて感情的になって、相手を責めたら負けです。
勝ち負けの世界では無いですが、日本と同じ感覚で居たら、やっていけません。
いずれにしても、時間と共に、我々も徐々にKiwiになって行きます。
それが自然な流れで、致し方ありません。
ただし、日本人と付き合う時は、日本モードに切り替える必要があります。
ここだけの話です。
極秘事項ですので、この事は、誰にも言わないで下さい。
一生、あなただけの胸にしまって置いて下さい。
5年くらい前だと思いますが、私は、外で飲んで自分で車を運転して帰った事があります。
結構入っていました。
TakapunaのKitchener Roadを走っている時に、パトカーに止められました。
よくある、飲酒の検問ではなく、一般の巡回パトカーでした。
息をふぅ~と吐いて、アルコール濃度を検査されると言う事はありませんでした。
パトカーに乗せられ、尋問を受けました。
「あなたは、酒を飲んで酔っているか?」と聞かれ「はい、酒を飲んで酔っています」と素直に答えました。
私は、とても素直に率直に答えました。
他にも色々、聞かれましたが、全て正直に素直に答えました。
警官は、私の素直な返答が気に入ったらしく、「You are a lucky man!」と言って、無罪釈放してくれました。
ただし、私の車は、路上に駐車したままにして、警官がパトカーで私を家まで送ってくれました。
とても感じの良い警官でした。
不思議な日本人女性に会った事があります。
30前後の女性だったと思います。
彼女は、Kiwiの家に間借りしていました。
その家の大家は、Kiwiの成人男性とのこと。
その男性が彼女にスパバス(泡の出る風呂)に一緒に入ろうと誘うと言う事です。
2人は、恋仲でも何でもありません。
私は、彼女に嫌なの?
と聞きました。
そうすると彼女は、嫌だと言いました。
それじゃ、嫌だと言えば良いでしょ?
と私は、彼女に言いました。
しかし、彼女の返答は、奇妙奇天烈でした。
断る理由が無いので困ると言う事です・・・?
う~ん これが日本人の優柔不断さかと思いましたが、特別なケースかも知れません。
嫌なら単純に「No!」と毅然と言えばそれで済む話です。
こんな状況で「No!」と言えなくて、海外に出たら大変危ないです。
世の中には、不思議な人が居ますね。
私は、こちらで手術を受けた事があります。
手術と言っても、非常に簡単な手術です。
新しい靴を買って踵(かかと)が靴擦れで化膿しました。
TakapunaのWhite Crossへ行きました。
White Crossは、民間の小さな診療所です。
毎回、数十ドル治療費が掛かりました。
私は、こちらで医療保険に入っていません。
何度か治療に行きましたが、化膿は引かず、大きな病院へ行って手術しないと駄目だと言われました。
それで、医者が推薦状を書いてくれました。
最初、私立の病院を紹介してくれましたが、保険が無いので国立の病院にして欲しいと言ったら、Papatoetoeの近くのMiddlemore Hospitalを紹介してくれました。
その推薦状を持ってMiddlemore Hospitalへ行きました。
2、3回通院したら、明日手術をするので準備をして来なさいと言われ、泊まる準備をして行きました。
次の日、朝早く、病院へ行きました。
かなり待たされました。
病院の寝巻きを着せられ、一旦病室に移されました。
その日の午後、手術をするので朝から何も食べていませんでした。
ずっと何時間も待たされ、夜になり、腹が減り、それでも手術をしませんでした。
救急患者が担ぎこまれてきて、大手術があったらしく、結局その日の夜8時頃まで飲まず喰わずで待たされ、私の手術は、その日は中止と告げられました。
漸く食事が出ました。
ほんの少量の食事で、全部食べても足りませんでした。
次の日に手術を受けました。
事前に飲酒量、喫煙量、身長、体重などを聞かれ、それに合わせて全身麻酔をされました。
注射で麻酔されました。
ぐっすりと寝て目覚めたら、手術は終わっていました。
良く聞く、麻酔が徐々に覚めてくるのではなく、ゴク普通の目覚めと同じでした。
頭もすっきりしていました。
手術の前にこれこれこう言う手術をすると医者から説明を受けました。
まず、化膿している部分の洗浄をしてその後に皮膚移植すると言われました。
皮膚移植と言うのは、自分の体の皮膚をはがし患部に移植すると言う事です。
皮膚移植は、止めてくれと私は、言いました。
そうすると、医者はそうか分かったと言い、皮膚移植はしませんでした。
手術の詳細を書いた合意書が用意され私は、それに署名しました。
そこには、患者が皮膚移植を拒否したと明記してありました。
病院にはいたる所に、患者の権利が書かれたポスターが貼り付けてあります。
そこには、患者が拒否する権利も書かれています。
病室には、3~4人居ました。
全員外科です。
隣のおにいさんは、南アフリカの人間で白人でしたが、手術が終わった夜、痛みで苦しんで居たので唸る声を聞いていて、辛かったです。
他に南太平洋の島国から来た人間と白人のKiwiも居ました。
全員手術の次の日には、退院です。
骨折の外科手術をしても次の日に退院ですから、早い。
のんびりゆっくりのはずのNZですが、病院の退院は、めっぽう早い。
当然私も手術の次の日に退院しました。
手術後の傷の手当ては、家の近くの病院から看護婦が通いで私の家に来て治療してくれました。
その内に私は、自分で病院へ行き治療してもらうようになりました。
治療費も手術費用も全て無料でした。
それから数ヵ月後又、大きな病院へ行き検査してもらい、それで完治しました。
医者は、カルテを手書きしません。
コンピュータに音声入力して終わりでした。
全てにおいてのんびりゆったりのNZと思いきや、場合によっては、とても合理的で迅速です。
参考までに言いますと、永住権所持者や2年以上のビザを持っている人間は、外国人でも国立病院なら無料です。
でも、海外で病院へは、もう決して行きたくありません。
嫌、日本でも決して行きたくありません。
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